北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト | 国蝶オオムラサキの生息地北杜市長坂町にある展示施設

ミズタマカビ後編:生命の循環と結びつき

update : 2017年2月23日 /

先週は、糞の上のミズタマカビが生物界一の加速度で胞子を飛ばすところまでお話いたしました。
先週の記事はこちら(クリックで詳細)
今回は「噴射された胞子はどこへ付着し、どの様に再び糞へたどり着くのか?」をご説明します。
 
ミズタマカビは走光性という性質があり、明るい方向へ子実体を向け、胞子を飛ばします。
そして、明るい場所にはより高い確率で、草などの植物が生えています。
胞子分散の第一ステップとして、胞子を草へ付着させます。
20170223 - ミズタマカビイラスト01

次に、胞子が付着した草を、糞の落とし主である草食動物が食べます。
20170223 - ミズタマカビイラスト02
 
動物の消化管には、様々な消化液があり、「ミズタマカビの胞子も溶けてしまうのでは?」と思いますよね。
しかし、ミズタマカビは、この刺激が大好きで、胞子を発芽させるきっかけになるのです。
発芽しかかった胞子は、糞とともに外界へ放出され、菌糸を伸ばし、再び水晶のように美しい子実体を作ります(イラスト3枚目。
20170223 - ミズタマカビイラスト03
この様にミズタマカビは、「糞→草→動物の体内→再び糞」という波乱万丈な引っ越し人生を送っています。
 
普段の生活では、ウンチは嫌われ者ですが、ミズタマカビのようにウンチがないと生きられない生き物がいるのですね。
また、ミズタマカビに分解された糞は、胞子の運び屋である草の栄養にもなります。
ウンチは、生産者・消費者・分解者の3者を繋ぐ、重要な役割を担っています。
 
 
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