北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト | 国蝶オオムラサキの生息地北杜市長坂町にある展示施設

難題

update : 2017年1月18日 /

オオムラサキセンターでは、今期も材割り採集のイベントをおこないました。
材割りとは、朽ち木を削り中の昆虫を採集する昆虫観察・採集の一種です。
イベントでは、センターで管理している雑木林の朽ち木を使用しましたが、
野外でおこなう場合は人の土地ですることがほとんどです。
実際、現場はどのような光景なのでしょうか?
カブト・クワガタ大好きスタッフは、山梨県の材割りポイントに行ってみることにしました。
 
20170119hf - 台場クヌギ01
写真でも分かる通り、多くの朽ち木が派手に削られています。
一瞬「ひどい」という感情があるかもしれませんが、果たしてそれが正しいのでしょうか?
台場クヌギは、田んぼの肥料にしたり、炭にして燃料にするなどして人が利用してきたものです。
化学肥料やガスがある現在、もはや台場クヌギを利用することはほとんどありません。
人が利用してきて今は使わなくなったものをバラバラにするのが、
果たして「自然破壊」「悪いこと」と言えるのでしょうか?
「材割り採集でクワガタが減る」と言う方もいます。
確かに次世代の繁殖場所が無くなるのも問題ですしごもっともな意見ですが、
それなら樹液に来たお腹に卵を持っているメスを採集してしまうのもダメージがあると思います。
 
そうかといって、「人が利用してきたものなんだからどうしようが勝手」という考えだけでは、
あっという間に朽ち木は無くなってしまいます。
個人所有の土地の場合は、土地を荒らされた所有者が腹を立て台場クヌギを
全て処分してしまう場合もあります。
 
…難しい問題です。個人によって意見は分かれるでしょう。
ただ、台場クヌギなどは放っておいて出来るものではありません。
朽ち木が出来るのにも、長い時間が掛かります。
いずれにしても、減らすのは簡単ですが、増やすのは大変ということです。
削られた朽ち木の前で、しばし物思いにふける筆者でした…。
皆様はどう思いますか?
20170119hf - 台場クヌギ04

20170119hf - 台場クヌギ03

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