北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト | 国蝶オオムラサキの生息地北杜市長坂町にある展示施設

長寿…!

update : 2017年3月3日 /

1月19日に当館にミヤマクワガタのオスが寄付されました。
20170303hf - ミヤマクワガタ(成虫)
この時期のミヤマクワガタといえば、通常であれば羽化後の休眠中であり、
餌は食べずにじっとしています。
しかし、個体の横には食べかけの昆虫ゼリーがありました。
確認すると、なんと昨年の初夏に採集された個体だそうです。
これはビックリ!
昨年の看板ミヤマの記録がもう塗り替えられてしまいましたね。
 
このミヤマ、スゴイところがたくさんあります。
まず「フ節」つまり脚部の最終節にあたる部分です。
このフ節は活動をしているうちに取れてしまいます。
先端には爪が付いており、これで木の幹にしがみついて樹液を摂取することが出来ます。
フ節が無くなる→木に摑まれない→採餌が不可能…となり、自然界では割と早く死亡してしまう場合が多いです。
一方飼育下では、たとえフ節が無くなってしまっても餌に困ることはありませんし、
転倒防止措置を取ればかなりの延命が可能です。
一定の条件を満たせば、ワンシーズンのカブト・クワガタが年を越えることも珍しくありません。
ですが、どんなに手厚く飼育してもフ節の脱落はなかなか避けられません。
稀に長生きしていながらもフ節が残っている個体もいますが…
なんと、この個体はフ節が全て残っています!
 
もう一つはミヤマクワガタの特徴でもある体毛。
これも活動しているうちに擦れ等で脱落していくものです。
特に前翅の体毛が脱落しやすいですが、この個体は割と残っています!
ちなみに、看板ミヤマは黒光りする程体毛が無くなってしまいました…。
20170303hf - ミヤマクワガタ(成虫)02

これほど完璧な状態で生存している個体はなかなかいないのではないでしょうか。
採集日等に間違いがなければ、これは立派な記録ではないでしょうか♪

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