北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト

オオムラサキの観察方法

オオムラサキセンターには、一年を通してオオムラサキが観察できる「びばりうむ長坂」という網張りの建物があります。この中ではオオムラサキを飼育していて、幼虫が葉っぱを食べるエノキや、成虫が樹液を吸いに来るクヌギの木が生えています。ここでは季節ごとに姿が変化するオオムラサキを観察でき、野外では見つけることが難しい卵や小さな幼虫も確実に見ることができます。

季節ごとの観察ポイント

  • 越冬から目覚めた4令幼虫

    越冬から目覚めたオオムラサキの幼虫(4令幼虫)は、口から吐いた糸を命綱にしながらエノキの木に登り、枝に静止して葉っぱの芽吹きを待ちます。

  • 6令幼虫に成長

    エノキの葉っぱが開くと、その葉っぱを食べて脱皮を繰り返しながら大きくなり、6令幼虫と呼ばれる状態に成長します。

  • 施設内の様子

    施設の中で耳を澄ますと、幼虫が葉っぱを食べるパリパリという音を聞くことができます。

  • 幼虫からサナギへ

    エノキの葉をたくさん食べてサナギになる準備が整った幼虫は、葉の裏に糸で作った台座を作り、頭を下にして動かなくなります。この状態を前蛹(ぜんよう)といい、2日ほど経つと皮を脱いでサナギになります。

  • サナギからチョウへ

    サナギの中ではチョウの体が作られていき、次第に翅の模様が透けて見えるようになります。おおよそ2週間ほど経つと、サナギの背中の部分が縦に割れて成虫が出てきます。殻から出たばかりの成虫の翅はしわくちゃですが、体液を翅に送り込んで伸ばします。

  • オオムラサキのオスとメス

    オオムラサキはオスとメスで姿がちがいます。オスは翅が青紫色でやや小ぶりな体格をしていますが、メスは翅が黒っぽい色をしていて、体はオスよりも一回り大きいという特徴があります。チョウになったオオムラサキのエサはエノキの葉ではなくクヌギの樹液です。成虫の寿命は約25日で、オスはメスよりも10日ほど早く成虫になります。

  • メスの産卵

    このため、オスは6月頃から姿を見せ始め、8月に入るとメスの姿が目立つようになります。交尾を終えたメスはエノキの枝や葉に、直径1ミリほどの小さな卵をまとめて産みつけます。1匹のメスが産む卵の数はおおよそ300個ほどといわれています。メスは産卵を終えると死んでしまいます。

  • 新たな幼虫観察

    オオムラサキの成虫の姿はなく、小さな卵や、卵から生まれた幼虫を観察することができます。卵から生まれた幼虫は、殻をほとんど食べてから、あちこちに散っていきます。この殻を食べることで、幼虫はエノキの葉を食べることを覚えます。

  • 幼虫の成長過程

    1令幼虫はエノキの葉の真ん中に穴をあけるように食べますが、脱皮して2令幼虫になると、葉の端から食べるようになります。また、1令幼虫の頭には角がありませんが、1回目の脱皮で角が生えます。冬までに3回脱皮して、4令幼虫と呼ばれる状態に成長します。

  • 越冬の準備へ

    冬になると、4令幼虫はエノキの根元に積もった枯れ葉に隠れて越冬します。このとき、外敵から身を守るために、体の色は緑色から枯れ葉と同じ茶色に変化します。

  • 越冬幼虫の様子

    この状態の幼虫を「越冬幼虫」と呼びます。越冬中は何も食べることなく、エノキの葉が芽吹く春を待ちます。※越冬幼虫を観察する際は、スタッフにお声がけください。

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