自然公園内にある水辺には、コガタガムシHydrophilus hilineatusが生息しています。
ため池や水田などに生息するガムシ類の一種です。
体長40mm近いガムシHydrophilus acminatusより小さいことから
〝小型のガムシ”という意味でこの名前が付いています。
その単純な名前が示す通り、ガムシをただ小さくしただけのような形をしていますが、
腹部にある牙状の突起がコガタガムシの方が長く、また、よりシャープな体形をしています。
この種はかつて平野部に広く生息していたといわれていますが、
農薬や池の改修工事、外来生物の浸入などにより生息環境が悪化し、
個体数・生息地が激減しています。
南西諸島ではまだ多く見られる地域があるものの、
本土では極めて少なく、多くの自治体が絶滅危惧種に指定しています。
環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)とされています。
私見ですが、山梨県産のものは他の地域産のものよりも、
小粒な個体が多いような気がしています。なぜでしょう。
水生昆虫にもクワガタムシやチョウなどのように、地域変異があるような気がしています。