北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト | 国蝶オオムラサキの生息地北杜市長坂町にある展示施設

アリの巣に居候

update : 2016年6月1日 /

石をひっくり返すとそこにアリの巣があって、沢山のアリが大騒ぎ。
幼少期のころに、このような経験をした方、いらっしゃると思います。
 
「黒いアリがウジャウジャ動いて、気持ち悪い!!」、
と強く感動した後に、深呼吸(フゥ―…)。
落ち着いて観察してみましょう。
 
すると、白色から薄茶色の、アリとは異なる変な生き物が見つかることがあります。
20160601 - アリヅカコオロギ (2)
アリがいても平然と構えています。
他の昆虫では、ありえない光景です。
これはアリヅカコオロギの一種(”Myrmecophilus” sp.)で、
日本から約10種類が記録されています。
 
20160601 - アリヅカコオロギ (1)
小さくてもコオロギの仲間。太い後脚でジャンプします!
 
彼らは、アリの巣に居候し、アリから食べ物をもらったり、
アリの幼虫を食べてしまったりします。
アリヅカコオロギは対象のアリの匂いを纏っていますので、
当のアリ達は、仲間だと認識して襲うことは滅多にありません。
 
彼らのように、アリの巣に居候(寄生もしくは共生)する昆虫を
好蟻性昆虫と呼びます。
好蟻性昆虫には、アリヅカコオロギの他にも、
蝶・アブの幼虫や、シミ目、コウチュウ目など幅広い分類群の昆虫がいます。
Facebookや、センターの展示などで少しずつご紹介していけたらと思います。

オオムラサキ通信 : 最近の記事