北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト | 国蝶オオムラサキの生息地北杜市長坂町にある展示施設

トゲアリの驚きの生態を激写!!

update : 2016年5月10日 /

先日ご紹介したトゲアリについて、続報です。
 
トゲアリは他のアリに寄生する特殊な生態をしています。
まず、トゲアリの女王アリは、クロオオアリなど他の種類のアリの巣に潜入します。
そして、その巣の女王アリを殺し、潜入した巣を奪い取ってしまいます。
その後、その巣の働きアリを使って、自分の子どもを育てます。
本日、散策していると、地面にトゲアリの巣を見つけました。
巣の入り口では、沢山のトゲアリの働きアリが門番をしていました。
しばらくすると、一匹の餌を咥えたクロオオアリが、入り口に近づいてきました。
20160510 ‐ トゲアリ (3)
通常、他種のアリが近づくと、門番たちは激しく攻撃します。
しかし、クロオオアリは何のためらいもなく、巣へ入っていきました!!
20160510 ‐ トゲアリ (1)

20160510 ‐ トゲアリ (2)
つまり、この巣はもともとクロオオアリの巣で、
トゲアリに乗っ取られてしまったのです!!
アリ達は、同じ種類のアリか、同じ巣のアリかを区別するのに、
主に匂い(フェロモン)で区別します。
トゲアリ達は、宿主であるクロオオアリの匂いを真似ているので、
クロオオアリに攻撃されませんし、攻撃もしません。
この決定的瞬間を激写したスタッフは、すっかり興奮してしまいました。
今夜は、寝付けそうにありません。
さて、クロオオアリの巣で個体数を充分に増やしたトゲアリ達は、
倒木などに住み場所を移し、寄生生活を終了します。
本日は、その様子も観察することが出来ました。
また後日、ご報告いたします。

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