北杜市 オオムラサキセンター 公式サイト | 国蝶オオムラサキの生息地北杜市長坂町にある展示施設

タイミングを待って…(ジョロウグモ

update : 2015年9月15日 /

先日のこと。
毎年のことではあるのですが
この時期になると
生態観察施設びばりうむ長坂内で、
ジョロウグモがよく見られるようになります。
 
蜘蛛たちには申し訳ないのですが、
蜘蛛たちが作った網にお客さまが掛かってしまわないよう、
木道に掛かる網は壊させてもらっています。
そんな蜘蛛の網取りをしていたとある朝、
ちょっと普通と違う様子のジョロウグモが目に入りました
20150913ジョロウグモ(脱皮・交接) (4)
どうやら、脱皮をした直後のようでした!
身体をぶら下げて身体が固まるのを待っていたようです。
 
よく見ると、脱皮をしたその横にふた回りくらい小さな蜘蛛が…これはジョロウグモのオスです。
脱皮をしている大きな方はメスです。
20150913ジョロウグモ(脱皮・交接) (5)
じっと見ていると、オスはジリジリメスに近寄り、
そーっとメスの腹部に1番前の脚(触肢)を近づけました。
 
すると、1度メスが暴れ、オスはすぐさま離れました…!
 
少しして、また見てみると…
20150913ジョロウグモ(脱皮・交接) (12).t
オスの触肢が見えますね。
20150913ジョロウグモ(脱皮・交接) (14).t
今度は、上手く行ったようです。
 
ちょっと見にくいですが、オスの触肢がメスの腹部に触れています。
これは「交接」と呼ばれるジョロウグモの生殖行動(動物でいう「交尾」)です。
オスは触肢の先端に配偶子を溜め込んでいて、
それをメスの腹面にある器官(外雌器)に受け渡します。
(配偶子を送り込まず、試しに触肢を入れるだけ、という行動もあるようですが…)
 
メスは、食欲旺盛で動くものには反応して食べてしまうため、
時にオスも食べられてしまうこともあるようで・・・
こんな風な脱皮直後や、食事中を狙うと云われています。
ジョロウグモの巣をよく見てみると、網の中心ではない所で潜むオスをよく見かけます。
 
ちょっと苦手…という方もいらっしゃるかもしれませんが、
じっと観察してみると、
こんな風に小さなオスの頑張る姿がご覧いただけるかも知れません。
 
是非、注目してみていただけたら、と思います!

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